日本歴史地名大系 「大坂口番所跡」の解説
大坂口番所跡
おおさかぐちばんしよあと
讃岐街道の大坂峠への登り口に設けられた番所。大坂番所とも称し、讃岐との国境を通る人と物資を監視した。設置の時期は江戸時代初期とみられ、正保国絵図には当番所らしき建物が描かれる。正保三年(一六四六)他国からの使者が到着した場合の対応として、讃州境では大坂口番人より注進すべきことが定められている(「申達書」阿淡御条目)。寛文九年(一六六九)には讃岐へ行く通行者のうち侍分の男女は長坂四郎太夫の手形で通し、直衆は手形なしで通すこと、在々の男女は郡奉行の、市の男女は町奉行の手形で通すこと、讃岐からの者は手形がない者は一切通さないことなどが定められ、また他国酒の持込みもかたく禁じられていた(「相坂口御番所仕様之事」同書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報