大坂村(読み)おおさかむら

日本歴史地名大系 「大坂村」の解説

大坂村
おおさかむら

[現在地名]溝口町大坂

日野川支流の白水しらみ川中流域の沖積地に位置し、集落は同川右岸の傾斜地に広がる。北は富江とみえ村、西は白水村、南西は根雨原ねうばら村。南原みなみばらに寛政一〇年(一七九八)施主与四郎が設置した道標があり、「右大山小あさ道、左大くら」と刻まれる。小林こばやしの同年・同施主の道標には「右ねう原道、左山みち」とある。拝領高は一八二石余、本免は五ツ三分。米子荒尾氏の給地であった(給人所付帳)。文政一三年(一八三〇)の高二三二石余、物成一一二石余、米子御蔵へ納入すべき三歩一米は二一石余(在方諸事控)


大坂村
おおさかむら

[現在地名]日南町豊栄とよさかえ

伯耆・備中・備後三国の国境にまたがる三国みくに(一〇〇四・一メートル)の北麓、北東流する九塚くつか川上流部に位置し、北東は井原いばら村。東は木谷きだに峠を越えて備中国哲多てつた高瀬たかせ(現岡山県神郷町)に至り、享保一一年(一七二六)の「因伯地理志」に道幅二尺、冬から春の大雪には牛馬不通とある。相坂とも記す(「伯州黒坂開元記」山上家文書など)。享和三年(一八〇三)上坂こうさか村を当村の新田として届出ている(藩史)。拝領高は一一九石余、本免五ツ六分。


大坂村
おおさかむら

[現在地名]板野町大坂

吹田ふきた村の北、阿讃あさん山脈から南へ流れる大坂谷おおさかだに川流域山間部にある。北は大坂峠を越えて讃岐国大川おおかわ坂本さかもと(現香川県引田町)、東は折野おりの(現鳴門市)、南西は犬伏いぬぶし村。讃岐街道がほぼ南北に縦断し(大坂越)、大坂峠には番所が設けられていた。「南海流浪記」仁治四年(一二四三)二月一一日条に「大坂」とみえる。村名は大阪とも記される(「阿波志」など)。慶長二年(一五九七)の分限帳には大坂とあり、一〇七石余が太田茂兵衛知行分。正保国絵図では高一〇八石余、寛文四年(一六六四)郷村高辻帳では田方六五石余・畠方四三石余、芝山と注記される。


大坂村
おおさかむら

[現在地名]御殿場市大坂

駒門こまかど新田の南東に位置し、南は神山こうやま村。村の東を黄瀬きせ川、西を西にし川が南流する。黄瀬川に沿って御殿場道が通り、往還の神山村境には一六二本の杉並木があった(宝暦一一年「書付」大坂森林組合文書、以下断りのない限り同文書)。「富士岡村誌」によれば、慶長五年(一六〇〇)下和田しもわだ(現裾野市)善左衛門によって開かれた村という。延宝八年(一六八〇)の村鑑は中山なかやま村地先で久保くぼ川を堰上げる当村の用水を沼津三枚橋さんまいばし城主大久保氏が支配した慶長六年以降の開削としており、慶長期前半の開発であろう。


大坂村
おおさかむら

[現在地名]志賀町大坂

於古おこ川の支流安津見あづみ川と日詰ひづめ川の合流地に位置し、南部の旧福野ふくの潟の平地耕地が広がり、北背後に眉丈びじよう山系支脈が走る。地内大坂舟の町おおさかふねのまち遺跡では大正年間に内水面用の丸木舟出土。昭和三六年(一九六一)耕地整理に先立つ発掘調査でも丸木舟の各部とともに櫂状木器・梯子などが出土している。舟の年代は特定できないが、古墳時代後期から奈良時代にわたる土器が伴出している。鎌倉時代の大坂保の遺称地で、室町時代には気多社領が散在した。元和二年(一六一六)の高三六八石、役棟四(「苦竹運上極」雄谷文書)


大坂村
おおさかむら

[現在地名]岩美町大坂

小田大谷おだおおたに村の南東、小田谷の最奥に位置する。拝領高は三九石余、本免は四ツ八分。山役米九石余・海役米四石余・川役米一石余を課されており(藩史)、沢氏の給地があった(給人所付帳)。「因幡志」によれば家数一〇。安政五年(一八五八)の村々生高竈数取調帳では生高五三石余、竈数八。正徳―享保年間(一七一一―三六)当村の者が左近さこ(現福部村)の谷奥に新開地を開き定住したという(同取調帳)


大坂村
おおさかむら

[現在地名]小原村大坂

犬伏いぬぶせ川の流域にあり、篠平ささだいら市場いちば丹波たんばを通る飯田街道が通ずる。寛永郷帳では岡崎藩領、天明六年(一七八六)旗本久世三四郎領で明治維新に至る。文政一三年(一八三〇)の宗門人別帳(小原村誌)による戸口は一三戸・四四人、うち男二五・女一九である。


大坂村
おおさかむら

[現在地名]犀川町大坂

柳瀬やなせ村の北、田川郡との郡境にある大坂山(飯岳山、五七三メートル)の東麓に位置する。元和八年人畜改帳によると御蔵納分の高一三七石余、家数一二・人数一四(うち百姓一・名子二)、牛二・馬一。寛永九年(一六三二)の高五一一石余(「仲津郡寛永六年七年八年三ヶ年之御免帳」永青文庫)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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