往来手形(読み)おうらいてがた

百科事典マイペディアの解説

往来手形【おうらいてがた】

江戸時代の旅行許可書で,通行手形ともいった。名主(なぬし)や所定の役人が発行し,旅行者の氏名・年齢・居住地のほか,旦那(だんな)寺や旅の目的などが記されていた。おもに旅先の旅籠(はたご)屋での宿改めに利用されたが,関所手形を兼ねるものもあった。
→関連項目過所

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世界大百科事典 第2版の解説

おうらいてがた【往来手形】

江戸時代の旅行者の旅行許可書で,名主や所定の役人が発行した。往来手形には旅行者の氏名・年齢・居住地のほか,所属する旦那寺や旅の目的などが記され,関所手形と兼用できるしくみのものもあり,なかには旅行中の死亡事故に際しての葬り方にまで言及している場合もある。とくに旅先の旅籠屋での宿改めに利用された。往来手形を持たないものを抜参りと称し,とくに伊勢参宮者に多かった。【渡辺 和敏】

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大辞林 第三版の解説

おうらいてがた【往来手形】

江戸時代、関所を通過する際に示す身分証明書。庄屋・名主・檀那寺などが発行した。関所手形。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

往来手形
おうらいてがた

江戸時代、庶民が他藩領などに旅行する際に携帯しなければならなかった身許(みもと)証明書。往来一札、一札、覚(おぼえ)などと標題を記す場合もあった。特殊な場合には現地支配者の代官が発行することもあったが、普通には旅行者の檀那寺(だんなでら)あるいは村の庄屋(しょうや)(名主(なぬし))が発行した。手形の内容は時と所によって異なっていたが、初めに旅行者の所属・住所・名前・続柄・宗旨・旦那寺などが記されたあとに旅行の目的が記されるのが普通であった。旅行者はこの手形を藩領境などの番所や関所で呈示し人改めを受けて通行が許可された。1か所とは限らないため手形の宛名(あてな)は「国々御関所 御番衆中」のごとく特定されていなかった。なお同種で異なるものに関所手形がある。[渡辺信夫]

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精選版 日本国語大辞典の解説

おうらい‐てがた ワウライ‥【往来手形】

〘名〙 江戸時代、商用や巡礼等に出る庶民の他国往来に際して、支配役人が旅行目的や姓名、住所、宗門等を記して交付した旅行許可証兼身分証明書。これによって諸国の関所、番所の通過や旅宿の宿泊、その他種々の場合に正規の旅行者として便宜と保護を受けたが、他方、それは行政取締りの意味をもっていた。往来書付。往来帳。往来証文。往来切手。往来の切手。往来。

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