大姶良城跡(読み)おおあいらじようあと

日本歴史地名大系 「大姶良城跡」の解説

大姶良城跡
おおあいらじようあと

[現在地名]鹿屋市大姶良町

大姶良川上流の支流に挟まれた標高六〇メートルを最高地点とする南西から北東に延びるシラス台地を主にする山城跡。看経かんきん城・うち城ともいう。当地域では長寛二年(一一六四)禰寝ねじめ北俣きたまた弁済使として来着した藤原姓富山義光の子義明が一二世紀末に大姶良に入部し、勢力を拡大し大姶良氏を称したとされる。「薩隅日三州他家古城主来由記」は義明を最初の城主とするが、実際は一四世紀に入り義明の子孫により築城されたと思われる。延元元年(一三三六)肝付兼重が南朝方として日向三俣みまたたか(現宮崎県高城町)で行動し始めると、兼重の弟兼成が西俣にしまた城を居城とし当城を攻略したという。しかし大姶良氏らは肝付氏に対抗し横山よこやま城に拠ったとされる(「三国名勝図会」など)。観応二年(一三五一)兼成は横山城を攻め落したが、帰路西俣への道で討取られたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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