大崎・葛西一揆

山川 日本史小辞典 改訂新版 「大崎・葛西一揆」の解説

大崎・葛西一揆
おおさき・かさいいっき

1590年(天正18)冬,陸奥国でおこった豊臣秀吉奥羽仕置への反対一揆太閤検地によって領主の権限を失う国人領主層が中心となった。90年8月,秀吉は小田原攻め不参を理由に大崎義隆・葛西晴信の所領を没収し,そこに木村吉清・清久父子を封じた。しかし木村氏による検地の実施などのため,全領で一揆が勃発。大崎・葛西両氏の旧臣に指導された一揆勢は木村父子がこもる佐沼城(現,宮城県登米(とめ)市)を包囲したが,11月24日,米沢城主伊達政宗によって父子は救出された。この過程で会津城主蒲生(がもう)氏郷と政宗の間に確執が生じ,91年2月上京した政宗は秀吉から会津近辺数郡の没収と,大崎・葛西旧領への移封を命じられる。6月には一揆鎮圧を再開,7月に制圧した。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

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