出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…この歴名がはたして目録とともに京進されたかどうかについては議論があるが,717年(養老1)以降についてはその可能性がある。この年新たに大計帳の書式が諸国に頒下され,従前の計帳になんらかの整備・改定が加えられたらしいが,以後京進される計帳を指す名称としては,この大計帳を略した大帳という語が定着していく。この大帳について一般には単に目録のみを指すものとされるが,〈大帳内目録〉という用語例があり,おそらく目録に歴名をも付属させていたものであろう。…
…当時の帳簿は問屋,仲買,小売によって異なり,また営業の種類によって種々の差はあったが,およそ大福帳,買帳,売帳,金銀出入帳,判取帳,注文帳,荷物渡帳の7種に大別された。大福帳は売買両帳および金銀出入帳を総括するもので,本帳または大帳とも呼ばれ,その用法は売掛けを総記するにあった。すなわち大福帳には口座を設けて商品の品目,数量,価格などを売帳から各人の各口座に転記し,その代金収入は金銀出入帳から登録し,これによって差引計算するもので,顧客との取引状況をこの帳簿によってはっきりさせるためのものである。…
※「大帳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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