大森代官所跡(読み)おおもりだいかんしよあと

日本歴史地名大系 「大森代官所跡」の解説

大森代官所跡
おおもりだいかんしよあと

[現在地名]大田市大森町

大森町の城上きがみ神社西側の地に隣接して置かれた。石見国・備後国のうち六万二六石余の幕府領(石見銀山領)統轄の中心機関。慶長六年(一六〇一)初代銀山奉行として石見に着任した大久保長安は、銀山の古城山(山吹城)麓の吉迫よしざこに陣屋を設けた。第二代銀山奉行竹村道清は、城上神社下手山麓に屋敷を構えたというから、恐らくこの時期に現在の代官所跡辺りに陣屋が設けられたと推定される。竹村屋敷たけむらやしきとして地名に残る。当初は奉行所、延宝三年(一六七五)柘植伝兵衛の代から大森御代官所と称し幕末に至った。代官所は表門門長屋本陣からなる。本陣は銀山方役所・地方役所・御白洲・代官居宅・侍部屋・御用人部屋などからなり、門長屋には御門番所・大工部屋・腰掛・留り所・仮牢などがある。代官所に隣接して東側の城上神社との間に元締屋敷が置かれた。代官所の向い側、銀山ぎんざん川を挟んで右岸の地に向陣屋があり、手代・手付役宅・土蔵・仲間長屋などが置かれた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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