大流(読み)おおながし

精選版 日本国語大辞典 「大流」の意味・読み・例文・類語

おお‐ながし おほ‥【大流】

〘名〙
遊郭などに長くとどまって遊興にふけること。
洒落本・妓者呼子鳥(1777)五「かの先生はまっさきより、よしわらに大ながし、四五日宿へ帰らねど」
② するはずの事をすっかり省いてしまうこと。
※洒落本・遊子方言(1770)発端本所は大流(オホナガシ)にながしてもよしさ」
③ 能で、鼓を同じ間隔で続けて長く打つ手法。また、歌舞伎囃子の手法の一つ。太鼓を主奏とし、大太鼓を加えることが多い。オロシと称する手を大間に(ゆっくりと)、力強く打つもので、荒事人物の登場音楽として用いられる。
※俳諧・毛吹草(1638)五「五月雨や鼓(つづみ)の滝の大ながし〈信勝〉」

おお‐ながれ おほ‥【大流】

〘名〙 貴人の飲み残した酒を臣下などに賜うこと。また、その酒。
※浄瑠璃・近江源氏先陣館(1769)一「御盃の大流れ小流れ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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