大山を中心とする山岳部と、隠岐諸島を中心とする海岸部からなる国立公園。鳥取、島根、岡山の3県にまたがり、陸域面積350.53平方キロメートル。1936年(昭和11)大山国立公園として指定、1961年(昭和36)蒜山(ひるぜん)・三瓶山(さんべさん)、島根半島の海岸部、隠岐諸島が追加指定された。大山はJR山陰本線や伯備(はくび)線からの便もよく、国引(くにび)き神話を思わす大景観や大山寺などの古文化財に富み、登山やキャンプ、紅葉、スキーなど四季を通じて楽しめ、皆生(かいけ)温泉も近い。また、大山の南東方、岡山県境の蒜山とは現在は無料化された蒜山大山スカイラインで結ばれる。大山、蒜山ともなだらかな裾野(すその)を引き、鏡ヶ成(かがみがなる)、桝水原(ますみずはら)、蒜山高原などの高原があり、放牧場やスキー場に利用される。鏡ヶ成、蒜山の両休暇村もある。大山西方の三瓶山(1126メートル)も長者原(ちょうじゃばら)などの草原での放牧景観が特色である。
島根半島はリアス海岸の海食地形が特色で、美保関(みほのせき)や日御碕(ひのみさき)などの景勝地に富み、神事にゆかりの地も多い。隠岐は最北端のオオミズナギドリの繁殖地白島(しらしま)、壮大な海岸美をみせる国賀(くにが)海岸などのほか、後鳥羽(ごとば)上皇や後醍醐(ごだいご)天皇の配流(はいる)史跡、水若酢(みずわかす)、玉若酢命(たまわかすのみこと)の両神社などの史跡が多く、牛突きやしげさ節などの行事に離島の情緒がある。
[岩永 實]
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