大行は細謹を顧みず(読み)たいこうはさいきんをかえりみず

故事成語を知る辞典 「大行は細謹を顧みず」の解説

大行は細謹を顧みず

大事業を成し遂げるためには、少々の非礼を犯すのはしかたがないということ。

[使用例] ばかやろう! 親不孝者! 大行細謹をかえりみずということわざを知らんか[佐藤紅緑*ああ玉杯に花うけて|1927~28]

[由来] 「史記こう紀」に載っている話から。紀元前二〇六年、しん王朝に対する討伐軍の武将りゅうほうは、総大将項羽を怒らせてしまい、こうもん(現在の西安市内)というところに陣を敷いていた項羽のもとへ、謝罪に訪れました。その結果、劉邦は許されて、もてなしの宴会が開かれますが、項羽の部下たちは、劉邦をなきものにしようと、チャンスを窺っています。そこで劉邦の部下たちは、劉邦がトイレへと立った際に、こっそり逃げ出すように進言しますが、劉邦は、項羽に帰り際のあいさつをしていないことを気にして、なかなか動こうとしません。すると、部下の一人、はんかいが、「大行は細謹を顧みず(大きなことを成し遂げようとするときには、細かい礼儀など気にしていられない)」と言ったので、劉邦も納得して立ち去ったのでした。この危機を生き延びた劉邦は、後に項羽を打ち破り、前漢王朝を樹立することになります。

[解説] このときの樊噲セリフからは、「俎上の魚という故事成語も生まれています。

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関連語 俎上

ことわざを知る辞典 「大行は細謹を顧みず」の解説

大行は細謹を顧みず

大事業をなしとげようとする者は、小さな事柄欠点にこだわったり、つまらない失敗を気にかけたりせず、目的を明確にしてどんどん積極的に事を行う。

[解説] 「大行」は、大事業。「細謹」は、こまかに念を入れること。「史記―項羽紀」にあることば。

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