大谷山古墳群(読み)おおたにやまこふんぐん

日本歴史地名大系 「大谷山古墳群」の解説

大谷山古墳群
おおたにやまこふんぐん

[現在地名]和歌山市岩橋

北に独立塊の花山はなやま古墳群、南に標高九〇メートルの鞍部をもってつながる大日山だいにちやま三五号墳がある。周辺の平地には鳴神なるかみV遺跡音浦おとうら遺跡といずれも古墳時代を中心にした遺跡があり、ほかに井辺いんべ遺跡などがある。五基の前方後円墳と二〇基余の円墳からなる。大谷山山頂の標高一三二メートルに二二号墳が位置し、大谷山北面に四本の支脈があり、それぞれ二二号墳を頂点にして四号・五号・六号墳、三九号・二七号・二八号・二〇号墳、一六号・一四号・一五号・一七号墳、三五号・三六号・三七号墳の各系列がみられる。とくに六号墳・二七号墳・二八号墳は岩橋千塚いわせせんづかにおける横穴式石室導入期の古墳として注目される。

二二号墳は全長六七メートル、後円部径三五メートルの前方後円墳で、円筒埴輪列がめぐらされ、くびれ部に造出しがあり形象埴輪が多数検出されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報