知恵蔵 「大間のマグロ」の解説
大間のマグロ
下北半島最北端の大間崎沖1~3キロメートルの近海で漁獲される。豊富な餌を食べたマグロが身の引き締まる時期に回遊してくる好漁場で、世界的に供給量が減る冬に脂の乗った200~300キログラムの大物が釣れる。釣った後の品質・鮮度管理も高評価を支えている。
大間の代表的な漁法は、マグロの群れを追いながら機動力を生かして釣る1本釣り。古くから市場で高く評価され、マグロ漁は活況を呈してきたが、1970年代半ばから約20年間は不漁が続いた。1993年以降、再び魚影が戻り、100キログラム以上の大物も揚がるようになったという。近年は、新興国の消費拡大やアジアや欧米でのすしブームなどにより、世界的にマグロや他の魚介類の需要が拡大していることから、漁獲量が急増し、水産資源の枯渇が懸念されている。クロマグロについても大西洋などで乱獲を防ぐための漁獲規制が進んでおり、こうした要因が価格上昇につながっている。
(原田英美 ライター / 2012年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報