日本歴史地名大系 「天王寺牛市」の解説
天王寺牛市
てんのうじうしいち
天王寺牛市は畿内最大の牛市であったが、前掲明和七年の口上書によれば寛文二年(一六六二)に冥加銀を上納して営業を許可されてはいたものの、その後市は一時中絶、寛保二年(一七四二)になって運上銀と引換えに再興されている。同三年、泉州南郡・泉郡村々は、石橋孫右衛門がその組下でない牛博労の商いを差止めたのに対し、自由取引の許可を出願したが、翌延享元年(一七四四)摂河泉一一郡のうち二四三ヵ村に対して、大坂町奉行より「天王寺村へ罷越候牛を外在々ニ留置売買致候義勿論、新規ニ牛市等立候儀、一切致間敷候」という申渡しがなされた(新川家文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報