天花粉(読み)テンカフン

デジタル大辞泉 「天花粉」の意味・読み・例文・類語

てんか‐ふん〔テンクワ‐〕【天花粉/天×瓜粉】

キカラスウリ根から製した白いでんぷん子供あせも・ただれ予防などに用いる。あせしらず。 夏》「―ところきらはず打たれけり/草城

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精選版 日本国語大辞典 「天花粉」の意味・読み・例文・類語

てんか‐ふんテンクヮ‥【天瓜粉・天花粉】

  1. 〘 名詞 〙カラスウリの根からとった澱粉。汗しらずとして、汗疹(あせも)の予防に用いる。打ち粉。《 季語・夏 》 〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「お袋はだまったまま、天花粉(テンカフン)で、細い膝小僧をマッサージし」(出典アメリカひじき(1967)〈野坂昭如〉)

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百科事典マイペディア 「天花粉」の意味・わかりやすい解説

天花粉【てんかふん】

キカラスウリの根からとったデンプンを精製した白色粉末。粒子が細かく,あせもなどの予防や症状軽減に用いる。中医薬学領域では,生薬自体(括楼根(かろこん))を天花粉と称することがある。
→関連項目医薬部外品カラスウリ

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改訂新版 世界大百科事典 「天花粉」の意味・わかりやすい解説

天瓜粉 (てんかふん)

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世界大百科事典(旧版)内の天花粉の言及

【カラスウリ】より

…山ろくのやぶ陰に生えるウリ科の多年生つる草(イラスト)。花は白く夕方に開き,花冠の先は細長く糸状に裂ける。茎は細長く,巻きひげで他物によじのぼる。雌雄異株。葉は互生し,3~5裂して茎とともに細毛が密生している。花は8~9月ころに開き,雄花は2~10cmの花序をつくり,雌花は葉腋(ようえき)に1個ずつつき,基部は長い筒状。果実は楕円形で長さ5~7cm,秋に赤く熟す。種子は茶褐色で長さ7~8mm,左右に突出しており,幅4~5mmの隆起する縦帯がある。…

【タルカム・パウダー】より

…そのほか,防臭剤入りのデオドラント・パウダー,殺菌剤入りのフット・パウダー,乳幼児のあせも・ただれ予防に用いるベビー・パウダー(シッカロールは1916年に出された和光堂の商品名),アフターシェービング・パウダーがあるが,これらも基剤はタルカム・パウダーとほとんど変わらない。なお,カラスウリの粉を主とした天瓜(花)粉(てんかふん)や打粉(うちこ)も同種の化粧品で,いずれも江戸時代から使われていた。【高橋 雅夫】。…

※「天花粉」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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