日本大百科全書(ニッポニカ) 「如心松葉」の意味・わかりやすい解説
如心松葉
じょしんまつば
京干菓子の一つ。井筒屋重久(しげひさ)の初代、近江(おうみ)国高島郡(滋賀県高島市)平井の領主であった平井加賀守(かがのかみ)源朝臣(あそん)秀名は、豊臣(とよとみ)秀吉の没後、隠棲(いんせい)して風流を友としたが、その間に松葉、松風など数点の茶菓子を創作した。とりわけ松葉は、枯山水にみるこぼれ松葉の風情をとらえた名干菓子で、のちに表千家7世如心斎宗左(そうさ)が露地の松葉とみて愛用してから、如心松葉といわれるようになった。そば粉、ニッケイ(肉桂)皮末、和三盆を練り、0.5ミリメートルの厚さにのし、そば切り包丁で松葉の大きさに断ち、天火で焼く。日に1000本しかつくれないという。
[沢 史生]
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