姫浦村(読み)ひめうらむら

日本歴史地名大系 「姫浦村」の解説

姫浦村
ひめうらむら

[現在地名]姫戸町姫浦

かみ島の東部に位置し、東は八代海に面している。北は(現松島町)、南は二間戸ふたまど村に接する。姫浦の地名は、景行天皇西征のおり、海神の怒りを鎮めるため姫が波浪に身を投じ石に化したとの伝説にちなむという。寛永一四年(一六三七)天草島原の乱の渦中に置かれ、同年一一月六日の天草にて切支丹に立帰申候村々覚(細川家記)には、キリシタン不死を信じこんで上津浦こうつうら(現有明町)から山越えをして牟田むた村へキリシタンを広めに赴いた百姓が、途中栖本すもと(現栖本町)庄屋鉄砲で撃殺されたとの記事がある。また同年一一月一八日の「筑紫左近より三老へ」(同書)によれば、むた(牟田)浦・長目ながめ(永目)浦の庄屋ら一三人が宇土うと郡浦こおのうら(現三角町)へ着船したわけを尋問され、「今度天草切支丹新宗共に島中不残肥後より御人数を被遣御打はたし被成由取沙汰仕に付」一揆の者ではない相しるし(証明)をもらって帰島するためだと陳述している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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