姫田忠義(読み)ひめだただよし

百科事典マイペディア 「姫田忠義」の意味・わかりやすい解説

姫田忠義【ひめだただよし】

ドキュメンタリー映画監督,映像民俗学者。兵庫県神戸市出身。兵庫県立第四神戸中学(現県立星陵高校)から予科練志願,高知県の海軍航空隊で敗戦を迎える。戦後旧制神戸経済専門学校(現兵庫県立大学)を卒業,住友金属工業に入社するが5年で退社し,演劇の演出家を志望して上京。書評新聞に掲載された民俗学者宮本常一の記事に興味を持ち,常民文化研究所に宮本を訪ね,以後宮本に師事して民俗学を学ぶ。宮本が監修したTVドキュメンタリー番組《日本の詩情》(1965年〜1966年)の取材・脚本・構成を手がけたことが転機となり,映像作家としての活動に入る。宮崎県の山村を取材した《山に生きるまつり》(1970年),アイヌ文化研究の萱野茂の協力を得て制作した《チセ・ア・カラわれらいえをつくる》(1971年)で高い評価を得,以後,日本列島各地の民俗行事や民俗芸能を取材したドキュメンタリー映像作品で,国内はもとより海外でも数々の受賞を果たした。1976年に株式会社民族文化映像研究所を設立。代表作に《イヨマンテ》(1977年),《周防猿回し》(1980年),《竹富島の種取祭》(1980年),《奥三面 山に生かされた日々》(1984年),《イザイホー》(1990年)など。フランス芸術文化勲章オフィシェ受章(1989年)。

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