国指定史跡ガイド 「孤篷庵庭園」の解説
こほうあんていえん【孤篷庵庭園】
京都府京都市北区紫野大徳寺町にある庭園。孤篷庵は紫野に位置する臨済宗大徳寺派の大本山大徳寺の塔頭(たっちゅう)で、他の塔頭群とは離れた大徳寺境域の西端にある。1653年(承応2)に小堀遠州の菩提寺として2代小堀宗慶(そうけい)が建立し、庵号の「孤篷」は遠州が師事した春屋宗園(しゅんおくそうえん)から授かった号である。庭園は遠州63歳の作庭といわれ、庭は赤土を使って遠州の故郷、琵琶湖に見立てている。方丈(本堂)南庭は直線的な刈り込みを配した幾何学的な庭で、枯山水と池泉回遊式庭園で自然の起伏を巧みに生かして「近江八景」と呼ばれる八つの景色を模し、春のツツジや若竹、秋の萩・紅葉など四季折々に趣のある庭園である。孤篷庵は1793年(寛政5)に火災にあっているが、島根松江の風流大名・松平不昧(ふまい)によって再建され、忘筌(ぼうせん)という茶室がある。1924年(大正13)に国の史跡・名勝に指定された。JR東海道新幹線ほか京都駅から市バス「大徳寺前」下車、徒歩約15分。