安屋敷遺跡（読み）あんどやしきいせき

日本歴史地名大系

安屋敷遺跡
あんどやしきいせき

• 岩手県：稗貫郡
• 石鳥谷町
• 五大堂村
• 安屋敷遺跡

[現在地名]石鳥谷町五大堂

北上川東岸、添市（そいち）川南岸の標高八〇メートルの河岸段丘にある。昔から縄文時代晩期の完形土器が多く出土する所として知られ、昭和五五年（一九八〇）添市川改修のため遺跡西端の三六〇〇平方メートルが調査され、縄文時代晩期を主体とした遺跡であることが判明した。縄文時代晩期の竪穴住居跡二棟・土壙五基・埋設土器四ヵ所・焼土五ヵ所・遺物集中区三ヵ所が検出された。竪穴住居跡二棟は完全に重なって検出された。時期的には下層の住居跡が古く、上層が新しい。下層の住居跡は高位河岸段丘砂層を掘込んでつくられ、平面形は円形で、規模は径三メートルである。炉は石囲炉で、床面ほぼ中央にあり、壁はやや傾斜をもち柱穴・周溝は判明しなかった。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」