安曇河御厨(読み)あどがわのみくりや

日本歴史地名大系 「安曇河御厨」の解説

安曇河御厨
あどがわのみくりや

安曇川町・朽木くつき村などを流れる安曇川および流域一帯にあった京都賀茂別雷かもわけいかずち(上賀茂社)の御厨。寛治四年(一〇九〇)三月二四日の鴨御祖大神宮申状案(賀茂社諸国神戸記)に「安曇河」とみえ、これ以前、堅田御厨の網人らは、網二帖のほか役を免除され京都鴨御祖かもみおや(下鴨社)に毎日御膳料としての鮮魚を供進するため、安曇川で漁をしていたが、同川が賀茂別雷社の御厨となると伝え聞いて、少なくとも半分を鴨御祖社の御厨にすることを訴え出ている。この安曇川と賀茂上下社との関係はこれよりかなりさかのぼるとする説もある。賀茂別雷社は、恐らく先の申状の出された直後、官符により神人五二人と人別三町計一五六町の公田雑事を免ぜられ、その替りに神人より毎日朝夕二度の贄を魚進されるようになり、安曇河御厨が成立した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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