20世紀日本人名事典 「安田武」の解説
安田 武
ヤスダ タケシ
昭和期の評論家
- 生年
- 大正11(1922)年11月14日
- 没年
- 昭和61(1986)年10月15日
- 出生地
- 東京
- 学歴〔年〕
- 法政大学国文科中退
- 経歴
- 昭和18年法大在学中に学徒出陣で陸軍に入隊する。朝鮮の羅南で敗戦を迎え、ソ連軍捕虜となる。22年に復員。出版社勤務の後、34年から評論家として独立。思想の科学研究会に属し鶴見俊輔、藤田省三らと「共同研究・転向」(34年〜37年)に最初の業績を発表。39年から41年まで同会長をつとめる。また35年の日本戦没学生記念会(わだつみ会)の再建に尽力し、以後常任理事として同会の“顔”的存在となる。戦争体験の継承、平和運動に一貫した姿勢を示す一方、伝統文化における技術の伝承の研究家としても知られる。著書に「学徒出陣」「定本戦争文学論」「型の日本文化」「戦争を読む」「昭和東京私史」「親父の存在」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報