親父(読み)しんぷ

精選版 日本国語大辞典 「親父」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぷ【親父】

〘名〙 (古くは「しんぶ」) ちち。父親
正倉院文書‐天平宝字二年(758)九月二一日・阿閇豊庭解「望今明暇、欲親父草命
※高野本平家(13C前)三「親父(シンブ)入道相国の体(てい)をみるに悪逆無道にして」 〔史記‐韓安国伝〕

やじお やぢお【親父】

〘名〙 (「おやじ(親父)」の「お」「やじ」を逆にしたもの) =おやじ(親父)
黄表紙・無益委記(1779)「親父(ヤジヲ)けっくにどうらくをつくし、ぢぢい婆々の芸しゃはやる」

や‐じ ‥ぢ【親父】

〘名〙 (「おやじ(親父)」の略) =おやじ(親父)
雑俳・削かけ(1713)「まだるいなあ・やじにひまやれわかいもの」

おや‐じい ‥ぢい【親父】

〘名〙 「おやじ(親父)」の変化した語。〔かた言(1650)〕
※雑俳・川傍柳(1780‐83)四「おやちいが叱(しかり)まするとなぜ言はぬ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「親父」の意味・読み・例文・類語

おや‐じ〔‐ぢ〕【親父/親仁/親×爺】

自分の父親を親しんで、また、他人に対してへりくだっていう語。⇔おふくろ
中年または老齢の男や、他人の父親をいう語。「隣の―」
店の主人。「飲み屋の―」
部下がその集団の長を親しんでいう語。
ヒグマの俗称。山のおやじ。
父母の父。祖父。
「―を殺さしておめおめと其人と同道して是迄来る腰ぬけと」〈浮・国姓爺明朝太平記〉
[類語](1お父さんパパ父上父親男親てててて親お父さまちゃん父じゃ人乃父だいふ阿父あふ慈父/(2大人おとな成人社会人大人だいにん成丁せいてい成年丁年ていねん壮年壮丁壮者おじさんおじちゃんおっさんおっちゃんおじん父ちゃん坊やおばさんおばちゃんおばん一人前分別盛り訳知りアダルト/(3店主主人あるじマスター
[補説] 
2017年に実施した「あなたの言葉を辞書に載せよう。2017」キャンペーンでの「オヤジ」への投稿から選ばれた優秀作品。

◆人生哲学を背負い、カウンターの隅で一人ブツブツ言ってる人。
nodokaさん

◆会話の締めに、ダジャレを言う哺乳類。
ちゅん2めんさん

親愛の気持ちが込められる場合と、軽蔑の気持ちが込められる場合がある。文脈、言い方、表情で違いを判断する必要がある男性呼称
osarusanさん

女性におけるオバサンと同じで、認めたら負け。自分で認めた瞬間に本当のオヤジになる。
三上さん

昔話自慢をする人。
瀬川さん

しん‐ぷ【親父】

《古くは「しんぶ」とも》父親。実の父。「御親父様によろしく」⇔親母しんぼ
「僕の―などはドウモ頑固で仕方がない」〈鉄腸雪中梅

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

デジタル大辞泉プラス 「親父」の解説

親父

1978年初演のヒュー・レナードによる戯曲原題Da》。1978年に第32回トニー賞(演劇作品賞)を受賞。1988年に『マーティン・シーンのda/ゴーストになったパパ』の題名映画化された。

出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報

普及版 字通 「親父」の読み・字形・画数・意味

【親父】しんぷ

実父。

字通「親」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

咽頭結膜熱

アデノウイルスの感染により、発熱、のどのはれと痛み、結膜炎の症状を呈する伝染性の病気。感染症予防法の5類感染症の一。学童がプールで感染して集団発生するのでプール熱ともいう。...

咽頭結膜熱の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android