宋書倭国伝(読み)そうじょわこくでん

改訂新版 世界大百科事典 「宋書倭国伝」の意味・わかりやすい解説

宋書倭国伝 (そうじょわこくでん)

中国の《宋書》夷蛮伝の東夷の条に属している倭国伝をいう。この夷蛮伝は他の中国史書の外国伝と異なり,風土,産物,制度,歴史といった各国の固有のものに関する記述はほとんどなく,宋朝諸国交渉記事に限定されている。倭国伝もこの特色もち,ほぼ宋朝と倭国との交渉(いわゆる〈倭の五王〉の朝貢,それをふまえた宋朝による任官)記事で占められている。ここに記された武の上表文は著名である。
南朝
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旺文社日本史事典 三訂版 「宋書倭国伝」の解説

宋書倭国伝
そうじょわこくでん

中国,南朝宋の正史『宋書』中の倭国に関する条
487年南朝の梁 (りよう) の沈約 (しんやく) の撰。100巻。巻97夷蛮伝 (いばんでん) 倭国の条に,421〜478年宋に貢使した倭の五王(讃・珍(彌 (み) )・済・興・武)の記事があり,特に倭王武の上表文は有名。5世紀の日本を知るうえで重要な史料

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