日本歴史地名大系 「宗念寺」の解説 宗念寺そうねんじ 長崎県:福江市福江城下唐人町宗念寺[現在地名]福江市福江町芳春山華顔院と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。元亀二年(一五七一)諸国巡遊の以八が福江に滞在し、石田(いしだ)浜に小庵を結んだのが始まりと伝える。本尊は筑前浦志(うらし)(現福岡県前原市)から出漁した漁夫の網に引上げられた阿弥陀仏で、肥前浦上(うらかみ)(現長崎市)から投じられた仏で漂着地には冥福があると記されていたので、魚目(うおのめ)(現新魚目町)の漁夫らがこれを祀ると大漁が続いたという所伝があり、元亀二年以八がこの仏を持って福江の丸木(まるき)に移り、宗念寺に安置、魚目の旧跡には浄福(じようふく)寺を建立したと伝えており、漁労を行う海民が主体の魚目との関連がうかがえる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報