…(2)年功賃金も大きな特色で,労働者の属性にリンクして賃金を決める属人給が一般的で,それも年齢・勤続等による格差が大きく,仕事の量や質への配慮が相対的に少なかった(年功的労使関係)。これを最もよく表すのが定期昇給制度で,技能も職務も変わらないのに年々賃金が上がることなど,外国ではなかなか理解されがたい。賃金が生活保障的であることを表すもので,生計費は年を追い家族人員がふえるにつれ上がらざるをえないから,賃金水準の低かった時代には,賃金がこのような形をとらざるをえなかったのである。…
…昇進や給与引上げ(俗にベースアップという)に伴って給与を増やす制度を指すこともあるが,専門用語ではこれと区別し,厳格に〈基本給部分について一定の基準で個人ごとに給与差がつくように加算する制度〉をいう。ここにいう一定の基準とは,過去のある期間(過去1ヵ年とする場合が多い)の出勤率や,技能・熟練度・必要知識・能力発揮度などを査定するために企業ごとに異なった考え方で作られる昇給率の設定法を指す。昇給制度があるために職種は変わらないのに毎年のように給与が増えるのは日本的特性であるが,昇給のうち勤務成績などに関係なく給与が増える部分を自動昇給(または最低保障としての生活昇給)と呼び,これに加算される分を査定昇給という。…
… また,日本の企業の報酬制度の基礎である基本給は,原則として初任給と定期昇給によって決められている。初任給は採用時の基本給であり,定期昇給制度は毎年一定の時期(多くは4月1日)に全従業員の基本給を上方に改訂する制度で,この場合,個々の従業員について職務,過去1年間の勤怠,業績,能力の伸長度などを評価し,昇給額または昇給率に差を設けている。もし従業員が,原則として学校卒業時に定期採用されるとすれば,基本給は初任給から始まり,その後,年齢,勤続年数,経験年数とともに定期昇給,年功的昇進によって,個人により差はあるが,上昇することになる。…
※「定期昇給制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新