室堂平(読み)むろどうだいら

日本大百科全書(ニッポニカ) 「室堂平」の意味・わかりやすい解説

室堂平
むろどうだいら

富山県南東部、立山(たてやま)の西側直下にある溶岩台地。標高2450メートル。弥陀ヶ原(みだがはら)の東端にあたる。台地北部には古立山火山余勢活動による爆裂火口ミクリガ池(水深15メートル)や血の池の凹地があり、その西に地獄谷の爆裂火口がある。周囲約1.5キロメートル。噴気孔から水蒸気亜硫酸ガスを噴出し、荒涼とした風景となっている。室堂山荘は1752年(宝暦2)の山小屋に起源するといわれ、北東側に修験道(しゅげんどう)行者が宿った玉殿(たまど)岩屋がある。室堂平は高原バスの終点であり、さらに立山トンネルを経て黒部ダムに至るルートに接続する。ホテル立山、立山自然保護センターがある。

[深井三郎]


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改訂新版 世界大百科事典 「室堂平」の意味・わかりやすい解説

室堂平 (むろどうだいら)

富山県南東部,中新川郡立山町にある溶岩台地。室堂ともいう。立山の直下,標高2450m前後にあり,古立山火山の第3期に流出した玉殿溶岩でつくられた。地獄谷,ミクリガ池,ミドリガ池など自然景観に富み,古くから立山登拝の拠点であった。玉殿岩屋,虚空蔵(こくぞう)岩屋などの古い立山信仰の遺跡がある。1715年(正徳5)加賀藩は立山禅定者の宿所として室堂をつくったが,いまの室堂は52年(宝暦2)奥山回りの小屋として藩費で再興したものである。現在,立山高原バスと黒4ダムに通じる立山ルートの起点として各種の施設があり,立山登山の一大拠点となっている。
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世界大百科事典(旧版)内の室堂平の言及

【立山】より

…雄山北西斜面の山崎カール(天)や東斜面の御前谷,大汝,内蔵ノ助谷,真砂沢などのカール,南方の御山谷氷食谷など,氷河地形も多い。西側には,室堂平,天狗平,弥陀ヶ原といった溶岩台地が広がり,これらの緩斜面の南側に位置する国見岳(2621m)や天狗山(2600m)は立山旧火山のカルデラ壁である。雄山山頂には雄山神社峰本社がある。…

※「室堂平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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