弥陀ヶ原(読み)ミダガハラ

デジタル大辞泉 「弥陀ヶ原」の意味・読み・例文・類語

みだ‐が‐はら【弥陀ヶ原】

富山県東部、立山の西方にある高原。立山連峰火山活動で流れ出た溶岩によってできた台地。標高1500~2000メートル。ハイマツ高山植物群落のほか称名しょうみょうがある。平成24年(2012)、大日平とともにラムサール条約に登録された。

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日本歴史地名大系 「弥陀ヶ原」の解説

弥陀ヶ原
みだがはら

芦峅寺あしくらじ地内、立山主稜線部西方にある台地。広義には標高一〇〇〇―二五〇〇メートル、東西一三キロ・南北三キロに広がる台地全体をさし、美女びじよ平・ぶな平・弥陀ヶ原・天狗てんぐ平・室堂むろどう平など、標高を異にするいくつかの平坦面からなる。狭義には台地の中央部、標高一六〇〇―二〇〇〇メートルに広がる湿原および草原景観が卓越する平坦面を呼称する。広義の弥陀ヶ原は北側が称名しようみよう川、南側が常願寺川上流部をなす川によって下刻されて断崖絶壁をなし、悪城あくしろの壁・おにヶ城などの地名がある。台地下部にはタテヤマスギを混生するブナの天然林、中央部には「餓鬼の田圃」と呼称される池塘の多数散在する湿原および草原、上部にはハイマツを主体とする低木林や雪田植生が卓越する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「弥陀ヶ原」の意味・わかりやすい解説

弥陀ヶ原
みだがはら

富山県南東部,立山の西斜面に広がる溶岩台地。標高 1500~2000m。立山町に属する。東西約 4km,南北約 2kmにわたる。気象庁が定義する活火山で,古立山の火山活動によって流出した溶岩,泥流によって形成された。標高の低い西部にはブナ,タテヤマスギ,高い東部にはシラビソハイマツの林,中央部には高山植物の草原や湿地帯が分布している。中部山岳国立公園に属し,立山高原パークラインが通る。2012年,称名川(しょうみょうがわ)を挟んで北側にある大日平(だいにちだいら),称名滝などとともにラムサール条約に登録された。

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改訂新版 世界大百科事典 「弥陀ヶ原」の意味・わかりやすい解説

弥陀ヶ原 (みだがはら)

富山県の立山西腹に広がる高原。標高は1500~2000m。東西9km,南北3kmに及ぶ。立山火山の第2期の活動によりできたもので溶結凝灰岩,新期安山岩類が主体の溶岩台地である。高原東方に地獄谷やミクリヶ池があり,東から西へ貫流する称名(しようみよう)川の浸食によるV字谷の末端には,高さ350mの称名滝がかかる。立山高原パークライン(立山有料道路。現在はマイカー規制実施)が通じ,夏季にはダケカンバチングルマなどの高山植物が茂る中を高原バスが走り,立山への登山者でにぎわう。晩春から初夏にかけてはスキー場となる。国民宿舎などの宿泊施設も整っている。
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百科事典マイペディア 「弥陀ヶ原」の意味・わかりやすい解説

弥陀ヶ原【みだがはら】

富山県東部,立山連峰の西側中腹に広がる溶岩高原。標高1500〜2000m。高山植物,湿原植物が多い。ホテル,国民宿舎があり,登山,春スキーの基地で,立山ケーブルカー美女平駅からバス。立山パークラインが通じる。2012年7月,ラムサール条約登録湿地となる。室堂平の北に位置する地獄谷では現在も有毒ガスの発生が続いており,活火山でもある。
→関連項目大日平立山ラムサール条約

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「弥陀ヶ原」の意味・わかりやすい解説

弥陀ヶ原
みだがはら

富山県南東部、立山(たてやま)の西側に広がる溶岩台地。古立山火山の第二活動期の火砕岩流によって形成された台地で、その上にその後の火山泥流がのっている。北側を称名(しょうみょう)川、南側を常願寺(じょうがんじ)川によって侵食され、広義には東の室堂平(むろどうだいら)(2450メートル)から西の美女平(びじょだいら)(1000メートル)に至る約9キロメートルをいうが、狭義には中央のもっとも広い地域を弥陀ヶ原とよぶ。南北は約2キロメートルで、最高点は2621メートル。ヌマガマ、イワイチョウ群落の高層湿原帯で、餓鬼田(がきだ)とよばれる池塘(ちとう)が分布している。斜面にはアオモリトドマツ、ダケカンバがみられる。立山高原バス道路が通じる。

[深井三郎]

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事典 日本の地域遺産 「弥陀ヶ原」の解説

弥陀ヶ原

(富山県中新川郡立山町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

弥陀ヶ原

(山形県鶴岡市羽黒町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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