室賀郷(読み)むろがごう

日本歴史地名大系 「室賀郷」の解説

室賀郷
むろがごう

[現在地名]上田市大字室賀

上田市西部を東流して千曲川に入る浦野うらの川の支流、室賀川の沿岸一帯を総称した中世地名。南流する室賀川上流の谷間盆地を上室賀、下流のやや広い平坦部を下室賀とよぶ。中世末まで総体的に室賀と称していたが、天正一八年(一五九〇)上室賀・下室賀に二分されたという(長野県町村誌)

この地名の初見は、「吾妻鏡」延応元年(一二三九)七月一五日条に、北条泰時が信濃国小県郡小泉庄室賀郷を、善光寺不断念仏料所として寄進した記事である。「寄進、信濃国善光寺、不断念仏用途事、水田陸町陸反、在当国小泉庄室賀郷内、念仏衆拾弐人 在定器量人」とあり、次に、寄進田六町六段のうち、六町は念仏僧侶の免給として、六段は仏餉灯油料用とするとともに、その用途配分を細かく定め、万世違乱のないよう詳細に申し渡している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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