宮春日神社(読み)みやかすがじんじや

日本歴史地名大系 「宮春日神社」の解説

宮春日神社
みやかすがじんじや

[現在地名]京北町大字宮

宮集落の中央、大堰おおい川右岸の道路沿いに鎮座する宮村下黒田しもくろだ村の氏神であった。祭神は建御賀豆智命・伊波比主命・天之子八根命・比売神の四神。旧村社。

社伝によれば、当地の領家が古代以来藤原(近衛)家であった縁故から、長和二年(一〇一三)に藤原氏の氏神大和の春日神社の祭神を勧請して「宮野之大明神」として建立したのに始まるという(諸記、元禄六年「宮野大明神記録帳」当社蔵)本殿は文永二年(一二六五)改築、宝蔵は建武元年(一三三四)に建立。境内社宇賀うが社は永久三年(一一一五)に建立され、華厳経写本が寄進された。大般若経六〇〇巻は貞和六年(一三五〇)、応安三年(一三七〇)、長享元年(一四八七)と三回にわたって寄進されたという(現常灯寺蔵)。嘉吉三年(一四四三)の本社改築の際は、八月二二日「鬼宿密日寅刻」(二八宿中の鬼宿にあたる吉日の午前四時)に「下御前二体・中御前二体・上御前三体」を、一体ごとに杉原紙四枚で包んで仮殿に奉安し、竣工なった同年一一月二八日戌刻(午後八時)に還宮したという(菅河仁一家文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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