朝日日本歴史人物事典 「宮瀬竜門」の解説
宮瀬竜門
生年:享保4.12.10(1720.1.19)
江戸時代中期の漢詩人。紀州(和歌山県)の人。名は維翰,字は文翼,通称は三右衛門。竜門は号。祖が後漢・献帝の孫志賀穴大村王から出たとして,劉氏を称す。宮瀬家は代々和歌山藩医であったが,竜門に至って除籍された。学問は,徂徠学に私淑していた上野海門に師事,のちに江戸に出て服部南郭門に入る。だが,しばらくして門人たちに疎まれ,門を退く。その後,文章家としての名声を得,同じ古文辞学派でありながら,南郭門とは趣を異にする風を築き,反徂徠学に向かう次の世代の呼び水的存在となった。<著作>『竜門先生文集』
(高橋昌彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報