日本大百科全書(ニッポニカ) 「富士八湖」の意味・わかりやすい解説
富士八湖
ふじはっこ
富士講で霊場とされる、富士山周辺の八つの湖。富士八海ともいう。また、後述の外八湖に対して内八湖ともいう。河口湖、山中湖、明見湖(あすみこ)(富士吉田市)、精進湖(しょうじこ)、本栖湖(もとすこ)、西湖(さいこ)、四尾連湖(しびれこ)、浮島沼(富士市・沼津市)の八湖。浮島沼にかえて長峰の池(ながみねのいけ)(上野原市)とする説もある。また後年、浮島沼にかえて泉瑞(せんずい)(仙水とも。富士吉田市)としたともいう。富士八湖は富士信仰の行者である長谷川角行(はせがわかくぎょう)が仙元大日神の指示によって修行した場所といわれ、富士講信者は八湖を巡り禊(みそぎ)を行った。
富士山周辺の八湖のほかに外八湖とよばれる行場もあり、琵琶(びわ)湖、二見浦(ふたみがうら)、芦ノ湖(あしのこ)、諏訪(すわ)湖、霞ヶ浦(かすみがうら)、中禅寺(ちゅうぜんじ)湖、榛名(はるな)湖、桜ヶ池(御前崎(おまえざき)市)の八湖をいう。
[編集部 2016年3月18日]