出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
静岡県南部の市。2004年4月御前崎町と浜岡(はまおか)町が合体して成立した。人口3万4700(2010)。
御前崎市南東端の旧町。旧榛原郡所属。人口1万1569(2000)。遠州灘と駿河湾とを分ける御前崎に位置する。農業と漁業の町で,温暖な気候を生かして,メロン,トマトなどの園芸作物や茶,タマネギ,スイカなどが栽培される。漁場にも恵まれ,カツオ,シラスなどの沿岸・近海漁業が行われ,遠洋漁業も盛んである。1968年御前崎遠州灘県立自然公園に指定された前後から,御前埼灯台(1874初点)付近を中心に県下有数の観光地に発展,古くからの漁港である御前崎港も避難港として整備され,その後,地方港湾,国際貿易港,重要港湾へと進展を続けている。遠州灘に面した海岸は砂丘が続き,天然記念物の三稜石もみられる。
御前崎市中西部の旧町。旧小笠郡所属。人口2万4490(2000)。北部は牧ノ原台地南端にあたり,新野(にいの),朝比奈,比木などの集落が点在し,茶の産地になっている。遠州灘に臨む南部は浜岡砂丘が広がり,池新田と佐倉の2集落が国道150号線に沿って発達する。主集落の池新田は慶長年間(1596-1615)に新野池を干拓した新田である。農業人口の減少や兼業化が進むなかで農業は都市近郊型へと移行し,茶や畜産とともに,温暖な気候と砂地を生かしたイチゴ,スイカなどの施設園芸が行われる。食品加工や繊維工業が立地するほか,電機や輸送機械工場も誘致されている。砂地試験場,ねむの木学園(1997年掛川市に移転),中部電力浜岡原子力発電所などがある。佐倉北部の池宮神社境内の桜ヶ池周辺は桜の名所として知られ,秋の彼岸の中日には納櫃(のうひつ)祭が行われる。
執筆者:萩原 毅
静岡県最南端,御前崎市にある岬。駿河湾南西に突出して遠州灘とを分ける。一帯は標高約40mの隆起海食台で基盤は新第三系の相良層群からなり,表面には白羽礫層(しろわれきそう)と呼ばれる風食礫(三稜石)をのせ,周囲は急崖で限られる。白羽の風食礫は1943年天然記念物に指定された。海岸に沿って形成された波食台は地震の際の隆起運動を示し,台地面の断層地形は変動の跡を示す。沖合には沖御前岩礁があり,大陸棚が広く発達している。冬季の西風が強く,遠州灘からの砂が台地上にも吹き上がって御前崎砂丘を形成した。飛砂を防ぐためにクロマツを植林するとともに,風向と斜交して人工斜砂丘で固定し,耕地化が進んだ。かつてはサツマイモの産地で西風を利用したむし切干しは特産であったが,現在は茶園が広い。暖地性照葉樹林のグミ,ツバキなどの植生や台地上の屋敷森にかこまれる集落景観にも特色がある。南部海岸はアオウミガメの産卵地としても知られる。岬端部は湾口部にあるため1874年に洋式白色の御前埼灯台が建てられ,測候所,無線航路標識などもある。1948年避難港として建設を始めた御前崎港は,71年国際貿易港として開港し,75年には重要港湾に指定され,また海岸に沿う道路(臨湾道路など)も整備された。御前崎遠州灘県立自然公園にふくまれ,ホテルや民宿なども建設されてきた。
執筆者:北川 光雄
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