河口湖(読み)カワグチコ

デジタル大辞泉 「河口湖」の意味・読み・例文・類語

かわぐち‐こ〔かはぐち‐〕【河口湖】

山梨県南東部にある富士五湖の一。富士山溶岩流によるき止め湖。面積5.7平方キロメートル。最大深度14.6メートル。

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精選版 日本国語大辞典 「河口湖」の意味・読み・例文・類語

かわぐち‐こかはぐち‥【河口湖】

  1. 山梨県南東部にある富士五湖の一つ。溶岩流による堰止(せきとめ)湖で、自然の湖水の場合のような川水の出入はない。湖面標高八三一メートルで、五湖中最も低い。最大深度一四・六メートル。

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日本歴史地名大系 「河口湖」の解説

河口湖
かわぐちこ

河口湖町・勝山かつやま村・足和田あしわだ村にまたがる富士五湖の一つ。富士山の火山活動によって形成された堰止湖山之神やまのかみ川・てら川・西にし川・なし川・馬場ばば川・おく川・的場まとば川・室沢むろさわ川・平浜ひらはま川が流入するほか、東電の水路を通じて西さい湖の湖水が流入している。自然の流出口はなく、湖水はトンネルによる人工排水路から流出し、みや川に合流する。周囲一九・九キロ、湖面平均水位は八三二・五四メートル、湖面積五・七九平方キロ、最大水深二一メートル、透明度は七メートルで五湖中最低。富士五湖中唯一の島であるの島が湖の中央に位置し、周囲一・二キロ、アカマツなどの樹林で覆われている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「河口湖」の意味・わかりやすい解説

河口湖(旧町名)
かわぐちこ

山梨県南部、南都留郡(みなみつるぐん)にあった旧町名(河口湖町(まち))。現在は富士河口湖町の東部を占める一地区。1956年(昭和31)船津(ふなつ)村、大石村、小立(こだち)村、河口村の4村が合併して町制、河口湖町が成立。2003年(平成15)勝山村足和田(あしわだ)村と合併し、富士河口湖町(南都留郡)となる。旧河口湖町は河口湖を中心に、富士北麓(ほくろく)と御坂(みさか)山地の間に広がる。国道137号、139号が走る。標高800~900メートルの高冷地で、雑穀作を主とする農業と行商で生業をたてていたが、のちに富士五湖中でもっとも栄える観光地となった。観光地となったのは大正の後半からで、旧船津村に旅館や別荘などが建てられ、1936年(昭和11)富士箱根国立公園(のち富士箱根伊豆国立公園)に全町が編入された。第二次世界大戦後は、富士急行の河口湖駅までの延長(1950)、中央自動車道の開通(1969)などによって飛躍的に観光地化が進められ、さらに1971年河口湖大橋の完成によって湖の南北が結ばれた結果、北岸の大石地区も民宿などが増加した。観光の中心は船津で、多数の旅館、ホテルが集まり、シーズンには人と車で埋まる。観光地に、富士急ハイランドレジャーセンター)、山梨県立富士ビジターセンター(科学館)、河口湖美術館などがある。

横田忠夫

『『河口湖町誌』(1966・河口湖町)』



河口湖(湖)
かわぐちこ

山梨県南部にあり、富士五湖の一つ。山梨県南都留(みなみつる)郡富士河口湖町に属する。富士山の溶岩流のせき止め作用による。湖面標高は831メートルで、五湖のなかでもっとも低い。周囲18キロメートル、面積5.7平方キロメートル、最大深度は14.6メートル。人工の流入口が西湖(さいこ)との間に、排水口が船津(ふなつ)にある。中栄養湖で、ワカサギ、コイ、フナ、ナマズなどの魚類も豊富であったが、近年湖水の汚染が進み問題となっている。五湖中で、東京方面、甲府方面との交通の便がもっともよいばかりでなく、富士スバルラインをはじめ、他の湖への足の便もよいため、富士山北麓(ほくろく)での最大の観光基地となっている。ホテル、旅館、土産(みやげ)物店が湖の南東側に集中しているため、交通混雑の緩和のねらいもあり、1971年(昭和46)に河口湖町(現、富士河口湖町)の産屋ヶ崎(うぶやがさき)から対岸まで、河口湖大橋(500メートル)を含む1600メートルの有料道路(2005年無料化)が開通した。また近年は、農村地帯であった大石方面の観光地化が進んでいる。湖にその姿を映した「逆さ富士」は河口湖の観光資源であるが、近年、山中湖とともに渇水時に湖底付近からマリモが発見され「富士マリモ」として紹介されている。湖中の鵜ノ島(うのしま)は縄文、弥生時代の土器が出土することで知られる。2013年(平成25)に河口湖を含め富士五湖は、富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。

[吉村 稔]


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改訂新版 世界大百科事典 「河口湖」の意味・わかりやすい解説

河口湖 (かわぐちこ)

山梨県富士山麓にある富士五湖の一つで,そのほぼ中心にある。御坂山地三ッ峠山(1785m)の西麓に広がり,富士吉田市にも近く,周囲は五湖中で最も開けており富士河口湖町にある。湖面の標高は831mで五湖中最も低く,面積は5.6km2で山中湖に次いで大きい。湖の形が東西に細長く岬や湾入に富んでいるため,湖岸線の距離は17kmあって五湖中一番長い。湖の中心には鵜島という小島があり,ここからは縄文早期の遺物が出土している。湖水から流出する自然流路はないが,台風の度に湖がはんらんして水害をうけるため,1919年湖の南東岸の船津から放水路としてトンネルをうがち,富士吉田方面に排水されている。船津は富士急行河口湖線河口湖駅や中央自動車道の終点にも近く,この湖の観光の中心で多くの旅館やホテルがあり,また観光船や舟遊びの発着所としてにぎわっている。また北岸の大石地区や船津の西に続く富士河口湖町の旧勝山村や鳴沢村には民宿が多い。静かな湖面にうつる逆さ富士の景観はこの湖のみに見られるものとして有名である。
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河口湖(旧町) (かわぐちこ)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「河口湖」の意味・わかりやすい解説

河口湖
かわぐちこ

山梨県南部,富士山北麓から御坂山地東部に広がる地域。旧町名。 1956年船津,小立,大石,河口の4村が合体し町制。 2003年 11月勝山村,足和田村と合併し富士河口湖町となった。中央に河口湖がある。富士山の溶岩流や火山灰に覆われたやせ地で,第2次世界大戦までは河口湖南岸でわずかに林業,養蚕などが行なわれていた。戦後,河口湖の観光開発が進み,遊覧船,ボート場などが整い,湖畔や周辺の丘陵地にはゴルフ場,キャンプ場,遊園地などがつくられ,四季を通じて観光客を集めている。中心集落の船津は富士北麓の交通の中心地として富士登山,富士五湖めぐりの基地でもある。天然記念物として船津胎内樹型がある。富士箱根伊豆国立公園に属する。富士急行,国道 137号線,138号線,中央自動車道が通り,インターチェンジがある。

河口湖
かわぐちこ

山梨県南部,富士山北麓にある湖。富士河口湖町に属する。面積 5.7km2。周囲 18km。湖面標高 832m。最大水深 14.6m。透明度 5.2m。富士山から流出した溶岩によってできた堰止湖で,富士五湖の一つ。流入,流出河川はない。湖岸の地形は出入りに富む。富栄養湖でワカサギ,フナなどが豊富。富士山北麓の観光の中心地で,「さかさ富士」の名所,産屋ヶ崎(うぶやがさき),敷島の松,天上山などの景勝地が多い。冬はスケート場,夏はキャンプ場としてにぎわう。南東岸の船津にはホテル,みやげ物店などが集中し,毎年 8月5日に湖上祭が行なわれる。1971年には東部に河口湖大橋がかけられた。富士山と周辺の湖,神社などとともに,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。

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百科事典マイペディア 「河口湖」の意味・わかりやすい解説

河口湖【かわぐちこ】

山梨県南部,富士山北麓の富士五湖の一つ。富士箱根伊豆国立公園に属する。標高830.5m,面積5.48km2。最深14.6m。9世紀の富士山噴火では,〈河口海〉にも溶岩流が向かっていったという(《日本三代実録》)。中世には大原海ともみえる。自然の流出口がないため湖畔の村々は水害で悩まされ,1731年などに掘抜き排水工事を願い出ている。湖岸からの富士山の展望にすぐれ,湖中に鵜島(うのしま)が浮かぶ。スケート,キャンプの適地で湖上遊覧基地は南東岸の富士河口湖町船津。富士吉田市の上水源でもある。2013年,富士山の構成資産として世界文化遺産に登録。
→関連項目河口湖[町]

河口湖[町]【かわぐちこ】

山梨県南部,河口湖とその周辺を占める南都留(みなみつる)郡の旧町。富士箱根伊豆国立公園に属し,湖南東岸の主集落船津は富士急行の終点,富士スバルラインの起点で観光基地。中央自動車道が通じ,天上山,富士急ハイランド,博物館もある。北岸の河口地区は鎌倉街道の旧宿駅で三ッ峠山への登山口。2003年11月南都留郡勝山村,足和田村と合併し,富士河口湖町となる。60.89km2。1万9362人(2003)。

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事典 日本の地域遺産 「河口湖」の解説

河口湖

(山梨県南都留郡富士河口湖町)
美しき日本―いちどは訪れたい日本の観光遺産」指定の地域遺産。

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事典・日本の観光資源 「河口湖」の解説

河口湖

(山梨県南都留郡富士河口湖町)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

河口湖

(山梨県南都留郡富士河口湖町)
ふるさとの水辺百選」指定の観光名所。

河口湖

(山梨県南都留郡富士河口湖町)
富士五湖」指定の観光名所。

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