山中湖村のほぼ中央に所在する湖で、富士北麓に点在する富士五湖の一つ。五湖の東端に位置する。富士山の火山活動によって形成された堰止湖で、
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
山梨県南東部、南都留(みなみつる)郡山中湖村にある富士五湖の一湖で、五湖中最東端に位置する。篭坂(かごさか)峠の北麓(ほくろく)に位置し、湖の周囲は波浪状の起伏をもつ山麓斜面が広い。面積6.8平方キロメートル、周囲14キロメートル、標高は981メートルで五湖中の最高。最大深度は13.3メートルと五湖中最浅。富士山の噴火による堰止湖(せきとめこ)で、桂川(かつらがわ)が排水口になっている。湖底には富士山の伏流水が湧出(ゆうしゅつ)し、局所的な水温変化が大きいといわれる。透明度は5.5メートルで、水色は美しさに欠けるが、中栄養湖であり魚の種類も豊富で釣り、漁の対象となっている。富士山の美しさばかりでなく、標高が高く夏の避暑、冬の氷上レクリエーションの可能な地域であり、かつての寒村は旭日(あさひ)ヶ丘の高級別荘地時代を経て、県内屈指の滞在型の保養観光地に変化している。富士五湖のなかでも、中央自動車道、東名高速道路、さらには東の山伏峠から道志(どうし)の谷沿いにと、交通至便の位置を占める湖である。2013年(平成25)に山中湖を含め富士五湖は、富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。
[吉村 稔]
山梨県南東部、南都留郡(みなみつるぐん)にある富士五湖東端、山中湖畔の村。国道138号、413号が通じ、東富士五湖道路の山中湖インターチェンジがある。以前は中野村と称していたが、1965年(昭和40)に現称に改め、観光立村を村是としている。標高1000メートルに近い高冷地で、観光地としての始まりは1925年(大正14)湖の南東岸旭日ヶ丘(あさひがおか)(1932年徳富蘇峰(そほう)の命名)地区に別荘が建てられてからである。就業人口の90%近くが旅館、民宿、貸寮などの観光業に従事しており、かつての耕地はテニスコートなどのスポーツ施設にかわり、8月には常住人口の10倍以上の人々であふれる。面積53.05平方キロメートル、人口5179(2020)。
[横田忠夫]
『『山中湖村史』全3巻(1977~1979・山中湖村)』
山梨県南東部,富士山東麓にある湖。富士五湖の一つで,五湖中最東端に位置し,南都留(みなみつる)郡山中湖村に属する。湖の形が牛が伏せているように見えることから〈臥牛(がぎゆう)湖〉ともいう。富士山の溶岩流による堰止湖で,湖面の標高981m,面積6.4km2。五湖中では最も高所にあり,また最も大きい。中栄養湖で,最大深度13.3mと浅く,プランクトンが多いため,ワカサギなど魚類が豊富でフジマリモも生育する。湖水は西端部から流れ出て桂川となり,相模川に合流する。
西に富士山を望み,北の石割山(1413m),南の三国山(1339m)などハイカーの人気を集めるなだらかな草山で囲まれた湖畔は,とくに避暑地としてにぎわう。湖の南岸にある山中湖村の旭日ヶ丘は,昭和初期にできた観光集落で,ホテル,別荘や会社の寮が立ち並び,グラウンドやテニスコートを備えた民宿も多い。秋の紅葉も美しく,冬はスケートや氷上でのワカサギ釣りなども楽しめる。京浜地方からは,東名高速道路を御殿場で下りて籠坂峠越えで至るルートと,中央高速道路または富士急行線で富士吉田を経て達するルートとがある。
執筆者:横田 忠夫
山梨県南東部,南都留(みなみつる)郡の村。人口5324(2010)。富士山東麓に位置し,中央に山中湖がある。南は静岡県,東は神奈川県に接する。富士箱根伊豆国立公園に含まれ,山中湖を中心とする観光業が主体の村で,第3次産業人口が就業人口の80%以上を占める。山中湖から忍野(おしの)村にかけてハリモミの群生純林(天)が見られる。西部を通る国道138号線は,籠坂峠を越えて静岡県に至る。
執筆者:萩原 毅
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新