山中湖(読み)ヤマナカコ

デジタル大辞泉 「山中湖」の意味・読み・例文・類語

やまなか‐こ【山中湖】

山梨県富士五湖のうち、東端の湖。富士山溶岩流による堰止せきとめ湖。桂川が流出する。面積6.8平方キロメートル。最大深度13.3メートル。湖面標高981メートル。

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精選版 日本国語大辞典 「山中湖」の意味・読み・例文・類語

やまなか‐こ【山中湖】

  1. 山梨県南東部、富士五湖の最東端にある湖。面積は六・八平方キロメートルで富士五湖中最大。水は桂川となって流れ出る。冬期はスケート場に利用。ワカサギ・コイ・ウグイなどがとれる。湖面標高九八一メートル。最大水深一三・三メートル。

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日本歴史地名大系 「山中湖」の解説

山中湖
やまなかこ

山中湖村のほぼ中央に所在する湖で、富士北麓に点在する富士五湖の一つ。五湖の東端に位置する。富士山の火山活動によって形成された堰止湖で、大堀おおほり川・一之砂いちのすな川が流入し、西岸の梁尻やなじり地区から流れ出た湖水は桂川となる。富士五湖のうち自然の流出口があるのは当湖だけである。湖面標高九八二メートル、湖面積六・六七平方キロで、ともに富士五湖中最高。周囲一二・九キロ。最大水深は一六・四メートルと浅く、湖底は平らである。湖水は緑色で最大透明度八メートル。栄養素のプランクトンが多く、昭和三一年(一九五六)に採集された藻類がフジマリモと名付けられ、生息地とともに県の天然記念物に指定された。北岸の平野ひらのでは風による湖面の流れによって形成された珍しい砂嘴がみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山中湖」の意味・わかりやすい解説

山中湖
やまなかこ

山梨県南東部、南都留(みなみつる)郡山中湖村にある富士五湖の一湖で、五湖中最東端に位置する。篭坂(かごさか)峠の北麓(ほくろく)に位置し、湖の周囲は波浪状の起伏をもつ山麓斜面が広い。面積6.8平方キロメートル、周囲14キロメートル、標高は981メートルで五湖中の最高。最大深度は13.3メートルと五湖中最浅。富士山の噴火による堰止湖(せきとめこ)で、桂川(かつらがわ)が排水口になっている。湖底には富士山の伏流水が湧出(ゆうしゅつ)し、局所的な水温変化が大きいといわれる。透明度は5.5メートルで、水色は美しさに欠けるが、中栄養湖であり魚の種類も豊富で釣り、漁の対象となっている。富士山の美しさばかりでなく、標高が高く夏の避暑、冬の氷上レクリエーションの可能な地域であり、かつての寒村は旭日(あさひ)ヶ丘の高級別荘地時代を経て、県内屈指の滞在型の保養観光地に変化している。富士五湖のなかでも、中央自動車道、東名高速道路、さらには東の山伏峠から道志(どうし)の谷沿いにと、交通至便の位置を占める湖である。2013年(平成25)に山中湖を含め富士五湖は、富士山域や周辺の神社、忍野八海(おしのはっかい)等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。

[吉村 稔]



山中湖(村)
やまなかこ

山梨県南東部、南都留郡(みなみつるぐん)にある富士五湖東端、山中湖畔の村。国道138号、413号が通じ、東富士五湖道路の山中湖インターチェンジがある。以前は中野村と称していたが、1965年(昭和40)に現称に改め、観光立村を村是としている。標高1000メートルに近い高冷地で、観光地としての始まりは1925年(大正14)湖の南東岸旭日ヶ丘(あさひがおか)(1932年徳富蘇峰(そほう)の命名)地区に別荘が建てられてからである。就業人口の90%近くが旅館、民宿、貸寮などの観光業に従事しており、かつての耕地はテニスコートなどのスポーツ施設にかわり、8月には常住人口の10倍以上の人々であふれる。面積53.05平方キロメートル、人口5179(2020)。

横田忠夫

『『山中湖村史』全3巻(1977~1979・山中湖村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「山中湖」の意味・わかりやすい解説

山中湖 (やまなかこ)

山梨県南東部,富士山東麓にある湖。富士五湖の一つで,五湖中最東端に位置し,南都留(みなみつる)郡山中湖村に属する。湖の形が牛が伏せているように見えることから〈臥牛(がぎゆう)湖〉ともいう。富士山の溶岩流による堰止湖で,湖面の標高981m,面積6.4km2。五湖中では最も高所にあり,また最も大きい。中栄養湖で,最大深度13.3mと浅く,プランクトンが多いため,ワカサギなど魚類が豊富でフジマリモも生育する。湖水は西端部から流れ出て桂川となり,相模川に合流する。

 西に富士山を望み,北の石割山(1413m),南の三国山(1339m)などハイカーの人気を集めるなだらかな草山で囲まれた湖畔は,とくに避暑地としてにぎわう。湖の南岸にある山中湖村の旭日ヶ丘は,昭和初期にできた観光集落で,ホテル,別荘や会社の寮が立ち並び,グラウンドやテニスコートを備えた民宿も多い。秋の紅葉も美しく,冬はスケートや氷上でのワカサギ釣りなども楽しめる。京浜地方からは,東名高速道路を御殿場で下りて籠坂峠越えで至るルートと,中央高速道路または富士急行線で富士吉田を経て達するルートとがある。
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山中湖[村] (やまなかこ)

山梨県南東部,南都留(みなみつる)郡の村。人口5324(2010)。富士山東麓に位置し,中央に山中湖がある。南は静岡県,東は神奈川県に接する。富士箱根伊豆国立公園に含まれ,山中湖を中心とする観光業が主体の村で,第3次産業人口が就業人口の80%以上を占める。山中湖から忍野(おしの)村にかけてハリモミの群生純林(天)が見られる。西部を通る国道138号線は,籠坂峠を越えて静岡県に至る。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山中湖」の意味・わかりやすい解説

山中湖
やまなかこ

山梨県南東部,富士山北東麓にある湖。山中湖村に属する。富士五湖のうち最も東にあり,面積 6.8km2。周囲 14km。最大水深 13.3m。湖面標高 982m。富士山の溶岩で形成された堰止湖桂川が流出する。中栄養湖で,ワカサギコイなどのほか県指定天然記念物のフジマリモ(→マリモ〈毬藻〉)が生息する。1月中旬から 2月下旬まで結氷しスケート,ワカサギの穴釣りに訪れるレジャー客が多い。富士山と周辺の湖,神社などとともに,2013年世界遺産の文化遺産に登録された。

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百科事典マイペディア 「山中湖」の意味・わかりやすい解説

山中湖【やまなかこ】

山梨県南部の湖。富士五湖の一つで最南端に位置し,標高980.5m,面積6.57km2(五湖中最大),最深13.3m。三日月形を呈し,湖岸線は単調でカラマツなどの林に囲まれる。湖水は北西端から流出し桂川となる。避暑,スケート,ワカサギ釣の適地で,国道138号,413号線が通じる南岸の旭日ヶ丘が観光の中心。2013年,富士山の構成資産として世界文化遺産に登録。
→関連項目桂川(山梨)

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事典・日本の観光資源 「山中湖」の解説

山中湖

(山梨県南都留郡山中湖村)
日本の重要湿地500」指定の観光名所。

山中湖

(山梨県南都留郡山中湖村)
ふるさとの水辺百選」指定の観光名所。

山中湖

(山梨県南都留郡山中湖村)
富士五湖」指定の観光名所。

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