富岡宿(読み)とみおかしゆく

日本歴史地名大系 「富岡宿」の解説

富岡宿
とみおかしゆく

[現在地名]富岡町小浜

浜街道に近世に置かれた宿場で、南は山田やまだ宿(現楢葉町)、北はさかい川を越えて相馬藩領に入り、一里一二町で熊町くままち宿(現大熊町)に継ぐ。延享四年(一七四七)の小浜村明細帳(内藤家文書)によれば、磐城平いわきたいら城下(現いわき市)へ九里半、中村城下(現相馬市)へ一四里半、三春みはる城下(現三春町)へ一五里半とあり、南北の交通の人馬継立、東西の物資交易が盛んに行われたと思われる。また小浜村の家数九八のうち「富岡町並四十六軒但し新屋共に」とあり、これらが宿場町を形成していた。安永九年(一七八〇)仙台藩主伊達重村が当地の郷士猪狩岡右衛門宅に宿泊しており、現在も「仙台中将寓」の本陣看板が子孫宅に残る。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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