日本歴史地名大系 「富岡道」の解説 富岡道とみおかみち 長野県:佐久市富岡道中山道八幡(やわた)宿より分岐し、五郎兵衛新田(ごろべえしんでん)(ともに現北佐久郡浅科村)を経て下県(しもがた)・桜井(さくらい)・野沢(のざわ)・中込(なかごみ)・平賀(ひらが)・内山(うちやま)を経て内山峠を越え、上野国へ出て、下仁田(しもにた)(現群馬県甘楽郡下仁田町)・富岡(とみおか)(現同県富岡市)に通ずる(現国道二五四号)。近世中山道の裏街道であった。佐久郡と小県(ちいさがた)郡とを結ぶ要路である。また松本と佐久とを内山峠越えで上野国甘楽(かんら)郡に結ぶ道でもある。古代から通じていた道と想像され、通過地である野沢平は千曲川・片貝(かたかい)川のつくる沖積地で、縄文・弥生の土器・土師器・須恵器などの出土物がみられるとともに、水利の便がよく、少し手を加えると灌漑の可能な土地であるため、周囲の地方に比して農業生産が早くから行われたことが推測される。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by