ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「富永直樹」の意味・わかりやすい解説
富永直樹
とみながなおき
[没]2006.4.11. 東京
彫刻家。本名は良雄。 1938年東京美術学校彫刻科を卒業,1940年同校研究科修了。北村西望に師事し,1936年『F子の首』で文展に初入選。 1950年『殊勲者』,1951年『山』,1952年『主将』で日展3年連続特選を果たす。 1968年『平和の叫び』で日展文部大臣賞,1972年『新風』により芸術院賞を受賞。 1974年芸術院会員に選ばれ,日展理事長 (1979~83) ,日本彫刻会理事長を務めた。 1984年文化功労者,1989年文化勲章を受章。キリスト教的人物像などブロンズの男性像を中心に制作するが,堅実な写実から生まれる穏健な表現のなかに,躍動する生命の形を描き,独自の境地を開いた。代表作に『原爆殉難教え子と教師の像』 (1982) など。
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