小原木踊(読み)おはらぎおどり

精選版 日本国語大辞典 「小原木踊」の意味・読み・例文・類語

おはらぎ‐おどり をはらぎをどり【小原木踊】

〘名〙 舞の一つ。天正二年(一五七四)大友家で催し、慶長年間(一五九六‐一六一五)の女歌舞伎でも踊った。狂言小舞を発展させたものと考えられる。
歌舞伎・好色伝受(1693)下「桟敷を打ち、大蔵神事を見物する。小原木踊。女中座中残らず出る」

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改訂新版 世界大百科事典 「小原木踊」の意味・わかりやすい解説

小原木踊 (おはらぎおどり)

中世末から近世初頭にかけて流行した踊歌(おどりうた)。中世小歌にもよまれている京都八瀬の大原女の姿をうたったもので,中世後期からの風流(ふりゆう)踊の盛行とともに諸国に広まった。歌舞伎踊を創始する以前の,出雲のお国も踊っている。〈沈(じん)や麝香(じやこう)は持たねども,におう(荷負う,匂う)てくるは焼(たき)もの〉などの歌詞を持つ。その断片は,江戸時代の歌謡の中にとり入れられて長く伝わった。
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