現存する日本泳法の一流派で、肥後(熊本県)の細川藩に伝わった。村岡伊太夫が享保(きょうほう)(1716~36)のころ一流をおこし、その子小堀長順(ながよし)がそれを大成させ小堀流を確立した。小堀流では長順を初代家元としている。小堀流は細川藩藩校時習館の教科でもあった。小堀流は踏水術とも称するように立体(立泳ぎ)を主とする泳法である。明治維新後、小堀流は長崎、京都、東京に伝えられた。小堀流の伝書としては小堀長順が1756年(宝暦6)に著した『踏水訣(けつ)』『水馬千金篇(へん)』をはじめとしてほかに二、三がある。泳法は手繰游(たぐりおよぎ)を基本として浮身を重んじているが、泳法には足撃(そくげき)、足抜手(ぬきて)、立游(たちおよぎ)、御前(ごぜん)游、甲冑(かっちゅう)御前游などがある。
[笹島恒輔]
…(6)水任流 17世紀中ごろ高松藩主松平頼重が今泉八太夫に命じ,水戸の技法を讃岐に合わせて改良したもので,特殊なさかさあおり足を用いる。(7)小堀流 1714年(正徳4)熊本の村岡伊太夫の創始といわれ,その養子小堀長順によって大成された。立体の巻足を基礎とし,踏水術とも呼ばれる。…
※「小堀流」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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