小川トク(読み)オガワ トク

20世紀日本人名事典 「小川トク」の解説

小川 トク
オガワ トク

明治期の殖産家,染色家 久留米縞織創始者



生年
天保10年(1839年)

没年
大正2(1913)年12月24日

出生地
武蔵国足立郡宮ケ谷塔村(埼玉県)

出身地
筑後国三瀦郡鳥飼村(福岡県)

経歴
父・善五郎の三女に生まれ、幼少の時に父母死別、小さい時から機織を習い熟練した技術を持つ。結婚して男児を産み、のち江戸定住の久留米藩士の乳母となり、慶応4年(1868年)6月久留米に下り筑後国三潴郡鳥飼村に住む。明治9年木綿織りを始め、当時すでに盛んだった久留米絣の改良を思い立ち、田中久重の援助を受け織機を改良、縞織に成功、“久留米縞織”と名付けて売り出し大評判となる。その後、この技術を後人に指導、11年には伝習生の大石平太郎らが機械化し、26年久留米縞織組合が結成された。同組合から久留米縞織を創始開発し久留米地方の一大産業に発展させた功績を讃え頌徳表と報恩金が贈られた。43年郷里の埼玉に帰って晩年を送った。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小川トク」の解説

小川トク おがわ-トク

1839-1913 明治時代の染織家。
天保(てんぽう)10年生まれ。慶応4年に筑後(ちくご)(福岡県)三潴(みずま)郡鳥飼村にうつる。明治9年木綿(もめん)織りをはじめ,久留米縞織の創始者となった。11年に伝習生の大石平太郎らが機械化し,のち久留米縞織組合が結成され同地方が一大産地となった。大正2年12月24日死去。75歳。武蔵(むさし)足立郡宮ケ谷塔村(埼玉県)出身

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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