小沼郷
おぬまごう
小川付近に所在した中世の郷。小川永豊寺旧蔵の明徳五年(一三九四)八月吉日の雲版銘(駿河記)に小沼県とある。応永六年(一三九九)六月一三日の畠山基国奉書(美吉文書)によると、富永資良の所領である小沼郷と、摂津能秀の所領であった益頭庄との間で境界相論があり、古道から浜通りに至るまでを益頭内とすることで決着した。また益頭庄内と認められた湊口というのは小河湊の湊口であろう。長禄二年(一四五八)閏正月二三日、「小河・おぬま」の住人兵衛三郎ら四人が、紀州熊野那智大社に詣でて願文を奉納している(「小河小沼住人願文交名案」米良文書)。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
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