日本大百科全書(ニッポニカ) 「小泉藩」の意味・わかりやすい解説
小泉藩
こいずみはん
大和(やまと)国添下(そうのしも)郡小泉に置かれた外様(とざま)小藩。1万石。現奈良県大和郡山(こおりやま)市域の南西、小泉町にあたる。藩祖は片桐且元(かたぎりかつもと)の弟貞隆(さだたか)で、1580年(天正8)以来、木下藤吉郎(豊臣(とよとみ)秀吉)に仕えて累進、1600年(慶長5)に豊臣秀頼(ひでより)から大和国添下郡ほか数か所でつごう1万石を受けた。大坂の陣後は徳川氏に属して1万5000石を賜り、1623年(元和9)小泉に陣屋を構え、子貞昌(さだまさ)のとき27年(寛永4)弟貞晴に分封して1万2000石となった。その後、貞房、貞起、貞音(さだなり)、貞芳(さだよし)、貞章(さだあき)、貞信、貞中、貞照、貞利を経て、11代貞篤(さだあつ)のとき1871年(明治4)7月廃藩、小泉県を経て奈良県に編入された。2代貞昌は石州流茶道の祖として著名である。
[平井良朋]
『『大和郡山市史』全2巻(1966・大和郡山市)』