小神廃寺(読み)おがみはいじ

日本歴史地名大系 「小神廃寺」の解説

小神廃寺
おがみはいじ

[現在地名]龍野市揖西町小神

揖保いぼ川中流域右岸の南に延びる丘陵の山麓部に位置し、標高三二メートル前後の台地上に立地する。採集品には飛鳥様式の軒丸瓦も含まれていることから播磨最古の寺院とされてきた。昭和一二年(一九三七)鎌谷木三次は小神廃寺を学会に初めて報告した。古瓦の出土があったほか、報告された二基の円形造出し柱座礎石や、築山とよばれる方形基壇様の高まりなどには現在も大きな変化はない。平成三年(一九九一)遺存基壇の北西約六〇メートル、同南南西約一〇〇メートルの地点で小面積の発掘が行われたが、遺構の確認には至らず、一〇世紀代以降の掘立柱建物跡一棟が発見されたにすぎない。これまでの採集古瓦は飛鳥時代後半の素弁八葉蓮華文軒丸瓦をはじめ鋸歯文縁複弁八葉蓮華文・重弁九葉蓮華文軒丸瓦、二重および三重弧文軒丸瓦などがある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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