小西新右衛門(読み)コニシ シンエモン

20世紀日本人名事典 「小西新右衛門」の解説

小西 新右衛門(12代目)
コニシ シンエモン

昭和期の実業家,酒造家



生年
明治8年11月(1875年)

没年
昭和22(1947)年8月22日

出生地
兵庫県伊丹

本名
小西 業精

別名
茶号=道易軒,初名=小西 利右衛門

学歴〔年〕
東京帝大法学部〔明治36年〕卒

経歴
大蔵省に入ったが明治39年「白雪」酒造元12代新右衛門を襲名酒造業改良を加え、合成酒製造も手がけた。また日本相互貯蓄銀行頭取を務め、他事業にも関係した。茶人で道易軒と号した。著書に茶事作法書「凌雲抄」がある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「小西新右衛門」の解説

小西新右衛門(10代)

没年:明治12.10.22(1879)
生年:文政7(1824)
幕末維新期の酒造業者。伊丹(兵庫県)の「白雪」醸造元小西家10代。名は業広。小西家の江戸積酒造業の始まりは慶長年間(1596~1615)と伝承されているが,寛文11(1671)年には薬屋新右衛門の名が史料で確認できる。薬屋から小西姓を名乗るのが享保期で6代新右衛門のときである。伊丹で江戸積酒造業を拡大してゆく一方,江戸出店を独立させて下り酒問屋を開業,さらに大坂安治川に樽廻船問屋を開業して樽廻船数艘を所有するなど,下り酒の生産から輸送・販売にいたるまで流通機構を一族で独占して繁栄した。 10代新右衛門は領主近衛家の庇護のもとに町の総宿老として町政にも参与し,維新政府となるや会計基立金の調達に応じ,会計裁判所御用掛,商法司酒造取締,通商為替会社総取締などの公職につき,他方伊丹小学校創設にも私財を投じた。

(柚木学)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「小西新右衛門」の解説

小西新右衛門(12代) こにし-しんえもん

1875-1947 明治-昭和時代の実業家。
明治8年11月生まれ。39年兵庫県伊丹(いたみ)の酒醸造元小西家12代をつぎ,醸造のほか合成酒製造もはじめる。また日本相互貯蓄銀行(協和銀行前身)頭取などをつとめる。茶人としても知られ,作法書「凌雲(りょううん)帳」をあらわした。昭和22年8月22日死去。73歳。東京帝大卒。名は業精。号は道易軒。

小西新右衛門(10代) こにし-しんえもん

1824-1879 幕末-明治時代の酒造家。
文政7年生まれ。摂津伊丹(いたみ)(兵庫県)の酒醸造元小西家10代。領主近衛(このえ)家の庇護(ひご)のもと町の総年寄などをつとめ,維新後は商法司酒造取締などの公職についた。明治12年10月22日死去。56歳。名は業広(たかひろ)。

小西新右衛門(11代) こにし-しんえもん

1851-1906 明治時代の実業家。
嘉永(かえい)4年3月生まれ。兵庫県伊丹(いたみ)の酒醸造元小西家11代をつぐ。また日本貯金銀行頭取などもつとめ,関西財界で重きをなした。明治39年5月25日死去。56歳。名は業茂。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android