(読み)ユウ

デジタル大辞泉 「尤」の意味・読み・例文・類語

ゆう〔イウ〕【×尤】

[形動][文][ナリ](「ゆうなるもの」の形で)特に、すぐれているさま。「正宗まさむね刀剣なるものだ」

ゆう【尤】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ユウ(イウ)(漢) [訓]もっとも
すぐれている。「尤物

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精選版 日本国語大辞典 「尤」の意味・読み・例文・類語

ゆうイウ【尤】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 最もすぐれているさま。
    1. [初出の実例]「収穫の穀菜は、みな其尤を抜きて、此場に送りて展覧に供す」(出典:米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉二)
    2. [その他の文献]〔荘子‐徐無鬼〕

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普及版 字通 「尤」の読み・字形・画数・意味


人名用漢字 4画

[字音] ユウ(イウ)
[字訓] とが・ことなる・もっとも・はなはだ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
呪霊をもつ獣の形。その呪霊によって、人に尤禍をもたらすことができた。〔説文十四下に「異なるなり。乙に從ひ、(いう)聲」とするが、祟(すい)と同じく、呪儀に用いる獣の象形。求もそのような呪獣の形で、それを殴(う)つ共感呪術は救、その法は(術)、また祟を殴つ字は(殺)で、減殺(げんさい)、他からの禍殃を減殺する意である。卜辞に「尤(あ)るか」のように尤禍の意に用いる。その呪霊は畏るべきものであるから尤異の意となり、尤甚の意となる。

[訓義]
1. とが、とがめ、わざわい、つみ
2. ことなる、あやしい、かけはなれる、すぐれる。
3. もっとも、はなはだ、とりわけ。

[古辞書の訓]
名義抄〕尤 モトモ・ハナハダ・トガム・ケヤケシ・アヤマチ・トガ・ケシウアリ 〔字鏡集〕尤 トモ・トガ・アタ・タヅヌ・スグル・アヤマツ・ケヤケシ・コトナリ・モトモ・トガム・ハナハダ・ケシウシテ・タガフ・セム・モノホシ・コトナリ

[声系]
〔説文〕に尤声として・肬など五字を収める。は〔説文〕三上に「罪なり」とあり、尤の繁文とみてよい。

[語系]
尤hiu(又)・右・佑・(祐)・(有)hiu同声。尤は災禍をもたらし、はこれを救助する意で、同声にして正反両系の語があったものと思われる。郵hiuは尤と同声で、尤の意に用いることがあり、また憂・iuも同系の語であろう。

[熟語]
尤異・尤違・尤佚・尤悪・尤禍・尤悔・尤尤隙・尤愆尤功・尤詬・尤最尤者・尤著・尤物・尤謗尤戻
[下接語]
怨尤・衍尤・過尤・寡尤・悔尤尤・譴尤・効尤・殊尤・多尤・大尤・致尤・尤・無尤・羅尤

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