尸位(読み)シイ

デジタル大辞泉 「尸位」の意味・読み・例文・類語

し‐い〔‐ヰ〕【×尸位】

《昔、中国祖先を祭るとき、人が仮に神の位についたところから》大した才能や徳もないのにむなしく地位に就いていること。
「もしいさむべきを見て諫めざる、これを―と謂ふ」〈太平記・五〉

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精選版 日本国語大辞典 「尸位」の意味・読み・例文・類語

し‐い‥ヰ【尸位】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 昔、中国で祖先をまつるとき、その血統の者が仮に神の位についたところから ) 才徳や功がなくて位にあること。職責を果たさないで地位にだけついていること。祿ぬすびと。尸位素餐(しいそさん)。空位。
    1. [初出の実例]「其性寒氷よりも潔し。懐寵、尸位の喩を離れたり」(出典:十訓抄(1252)二)
    2. [その他の文献]〔書経‐五子之歌〕
  3. 僧をいう。
    1. [初出の実例]「尸位 シヰ 呼僧曰尸位」(出典:伊京集(室町))

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普及版 字通 「尸位」の読み・字形・画数・意味

【尸位】しい(ゐ)

かたしろ。また、かたしろのように、何もしないもの。曠職。〔論衡量知の業無く、治に曉(あき)らかならず、に默坐し、事を言ふ能はざるは、尸と異なる無し。故に尸位と謂ふ。

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