尺度郷(読み)さかとごう

日本歴史地名大系 「尺度郷」の解説

尺度郷
さかとごう

和名抄」の諸本はすべて「尸度」につくり、また訓を欠く。だが古代でも尺度と記す例があり、現在も尺度(現羽曳野市)地名があることから、尸度は尺度の誤りであろう。「延喜式」(諸陵寮)は古市郡内に所在した清寧陵として河内坂門原さかとはら(現羽曳野市の白髪古墳に治定)をあげており、「さかと」と読むことは確実である。なお現在は「しゃくど」と発音している。「河内国西琳寺縁起」中の「天平十五年帳」に、「僧延達年卅五、臈十五」を説明して「河内国古市郡尺度郷鴨里戸主県犬養連弓足姪乙麿 神亀四年三月廿三日薬師寺受戒受公験」とある。

尺度郷
さかとごう

「和名抄」高山寺本・東急本ともに訓を欠く。「日本地理志料」は「佐賀登」と訓を付し、坂処の意という。天平七年(七三五)閏一一月一〇日の相模国封戸租交易帳(正倉院文書)に某親王の食封として尺度郷五〇戸、田二二五町八反二七歩とみえ、他郷に比べて田数が多い。

尺度郷
さかとごう

「和名抄」諸本は訓を欠く。郷名の尺度について、尺を坂、度を門、方と解して坂の登り口、つまり大山への登山口を意味したのではないかという説がある(因伯地名考)。比定地は「和名抄」汗入郡諸郷の記載順序から奈和なわ郷の西、阿弥陀あみだ川下流域の現大山町の旧所子ところご村地区とされ(鳥取県史)、同地区は大山への登り口に相当する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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