日本歴史地名大系 「汗入郡」の解説
汗入郡
あせりぐん
- 鳥取県:伯耆国
- 汗入郡
伯耆国西部にあり、北は日本海に面する。東は
〔古代〕
大山北麓および
「和名抄」東急本国郡部では郡名に「安世利」の訓を付す。天平一七年(七四五)一〇月付の平城宮跡出土木簡で、「伯耆国汗入郡尺刀郷」とみえる。「伯耆民談記」には、郡名は古くは「安合郡」と称したが、光仁天皇の時代老父に代わって人夫として当郡から都に上った女性が天皇の后に召出され、その女性の詠んだ歌の句にちなみ、郡名を汗入と改めたという伝承を記す。貞観二年(八六〇)九月汗入郡など四郡は水災に襲われ被害に遭った百姓が多数にのぼったため、翌三年六月九日、庸・調・雑徭などの課役が二年間免除された(三代実録)。「和名抄」は
「出雲国風土記」に「大神嶽」とみえる大山は奈良時代に山岳修行の聖地として開かれ、平安時代中期までに地蔵信仰を中心とする天台宗寺院としての体制が整えられた。平安末期には阿弥陀信仰の盛況に伴い阿弥陀堂も建立された。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報