尻目(読み)シリメ

デジタル大辞泉 「尻目」の意味・読み・例文・類語

しり‐め【尻目/後目】

顔は前方を向いたまま、目だけを動かして、後ろの方を見ること。また、その目つき。「そっと―に見る」
(「…をしりめに」の形で)その場のようすをちらっと見てあとは構わず自分行動を進めるさま。「同僚慰留を―に会社をやめた」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「尻目」の意味・読み・例文・類語

しり‐め【尻目・後目】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 自分の横にあるものなどを、顔を向けずに目だけを動かして見ること。また、その見方横目。流し目。
    1. [初出の実例]「宮の御前の方をしりめに見れば」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
  3. ( 「…をしりめに」の形で ) ちらっと見るだけで構わずに事を行なうこと。
    1. [初出の実例]「あっけにとられて立上った浴客たちを尻目に、照吉は体も洗はずに大股に風呂場を出て行った」(出典:潮騒(1954)〈三島由紀夫〉一〇)

尻目の語誌

相手を蔑視したり、無視したりする場合にも用いられるが、中古においては、多く女性が打ち解けたときのしぐさとして、また、近世においては、女性の媚を含んだ流し目という意味あいで使われた。

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