六訂版 家庭医学大全科 「尿路の形態異常」の解説
尿路(腎盂、尿管、尿道)の形態異常
にょうろ(じんう、にょうかん、にょうどう)のけいたいいじょう
Anomalies in urinary tract (renal pelvis, ureter, urethra)
(子どもの病気)
1個の腎臓に腎盂と尿管が2個ある形態異常です。比較的ありふれた形態異常で、合併症がなければ治療の必要はありません。
2本の尿管がそれぞれ別に膀胱に入る完全型と、途中で1本に合流してから膀胱に入る不完全型があります。完全型の場合は、膀胱尿管逆流を伴うことが多いので、膀胱造影検査による確認が必要です。
②
尿路のどこかに、尿の流れを悪くする尿流通過障害があるために、腎臓でつくられた尿の流出が妨げられ、腎盂が尿でいっぱいになり拡張した状態をいいます。胎児期の超音波検査で発見されたり、尿路感染症を契機に発見されたりします。
尿流通過障害を起こす病気はいろいろあります。子どもにみられる主な原因としては、尿路(腎盂と尿管の移行部、尿管と膀胱の移行部、尿道など)の
超音波検査が最も負担が少なく簡便で、経過をみるのに適した検査です。その他、腎盂造影、膀胱造影などを行い、原因、程度を明らかにします。利尿薬を投与して行う腎シンチグラフィは、手術が必要か否かを判断するのに有用です。
尿路の
③
尿の排出口である外尿道口が
形成不良の尿道が、
また、
鈴木 俊明
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報